Top > 「玉宮通り」探訪 - フィールドワーク 
 
   
       
 玉宮通りには、建物の半分が地下に位置する店があります。これは、玉宮通り一体の地盤の特徴を生かした作りになっていて、その町の特徴を有効活用した、個性ある町並みが作られてい ます。全体的に町の建物の半分程度が半地下構造になっています。これは今後も増えていくとの事です。
       
 玉宮通りでは、土地の有効活用を図るために、建物の共同化に努めています。通りを歩くと、このような一つの建物をいくつかの店舗で使っているものがいくつも見られました。建物の共同化により、狭いながらも空間を有効利用することができています。
       
 通りに建物を新たに建設する場合は、道路から1.5m程度、距離を設けるようになっています。こうすることで、通り自体に広がりを持たせることができ、通り全体が広くなっているように感じました。
       
 玉宮通りは、服屋と居酒屋が店舗の大半を占めており、それにより、昼と夜とで訪れる客層が変化します。日中は、服を見に訪れる女性客などの若者が多い印象を受けました。反対に、夜になると次々と居酒屋が開店して、仕事帰りのサラリーマンなど、中年男性を中心に賑わいを見せていました。しかし、昼夜ともに20代の方が多く利用していました。
       
 道路と建築物との間に距離を設けるのと同時に、建物の1階部分はできるだけ開口部を多くとるようになっています。これは、交差点で非常にいい効果が出ていました。通常、このような路地の交差点は非常に見通しが悪く、危ないという点がありましたが、開口部を設けることで交差点にゆとりができ、より安全に曲がることができるようになっていました。
       
 玉宮通りは、活動というより決め事に従って、統一感のあるまちづくりをしていました。新しくお店をはじめたいときには、会長に相談にいき、協定で決められている高さや道路からの距離を守り、綺麗な通りを作ろうと活動していました。たくさんの人で賑わい、活気の溢れる通りだと感じました。
       
 玉宮通りは居酒屋や、女性向けの服屋が多いため、決まった年齢層のお客さんばかりでした。さらに昼と夜では客層は異なり、昼には女性や中高年の方が中心に賑わっていました。夜になると昼とは違う通りなのかとおもうくらい、ガラッと雰囲気が変わり、多くの人で賑わっていました。男性や若者が多いように感じました。イベントがあると、また一層賑わいとても活気のあるように感じました。
       
 最も印象的だったのは、昼と夜が大きく雰囲気が変わることでした。しかし、どちらかというと昼のほうがさびれているように感じられます。それは、夜に営業を始める居酒屋が、お昼は まったく店を開けていないため、店のならびに穴が空いたように感じられたからだと思います。昼夜を問わず賑わっている、というのは他にはあまりない特徴なので、このような時間で生ま れる客足のばらつきに悩む街は、玉宮通りのやり方を参考にするといいかもしれません。