Top > 「伊奈波」探訪 - インタビュー 
 

 難しくてなかなか上手に説明は出来んけど、町おこしとまちづくりは違うんやね。まちおこしっていうのは、どちらかというとイベント中心にやってるのみんな。普通みんな、やってるあれをまちづくりと思ってるけど、あれはやはりまちおこしのほうだと思うのね。まちづくりっていうのは、そこに住んでる人たちがなんらかの役目だとか、1つのことに関わってみんなで町のことを考えていこうというのが、僕はまちづくりやと思ってるの。
  まちづくりだから必ず、イベント的なことはやる必要はないと思うし、ただ確かにね、ハード面とソフト面とあるわけでしょ。ハード面というと例えば、町の整備だとかいろんな方面が入ってくるわけです。人づくりのほうは、住んでいる人がみんな仲良くね。どんどん朝会っても挨拶もしなかったりさ、そういう社会になってきてそう。じゃなくって昔のようなね、ちゃんと挨拶できたらお互いにいろんな話し合いがね、地域の話が出来るというのがどちらかというとソフトの面だと思うのね。ここら辺は、金華地区っていう金華小学校の校区で、太平洋戦争で燃えなかった地区なのね。だから昔からのものがみんな残ってるし、そこそこにね。だから、逆に向こうの岐阜駅のほうがどんどん発展していくから、みんなそちらへこちらから、商売屋さんは出てく状態にあり、アンケートやると82~3パーセントは、もう静かに住みたいという人がほとんどなのよ。だからそういう点では、そういうい商店街みたいなね、ある意味の意欲はないかもわからない。けども、町を良くしていこうという気持ちは僕はみんなあると思う。だからそういうふうで僕らはやってきてるから、特別イベント的なことはやってない。伊奈波界隈はね。

 ただやってるのは、せっかく向こうのほうは枝垂桜だし、こちらは普通の吉野桜があるもんで、この通り全部桜祭りをやって、今ライトアップはやってるのね。 これも皆さんが見に来てくれればそこでなんかの活性化がつながると思って、それはイベントっていえばイベントだけども、せっかくみんなが見て来てくれるんだからやっぱ迎える側もね、我々としてもなんかやりたいなということで、桜が咲いてる一週間くらいの間、伊奈波神社の広場でカフェやってるの。夜だけ。 これも仲間がみんな調理師免許を持ったりなんかしてる人がいっぱいいるもんで、そういう人たちがいろんなものを作って、せっかく見に来てくれた人がちょっと休めるとこが、というよりも結局住宅地だから、夜になるとほとんど喫茶店もみんなやらないし、7時になるともう真っ暗な通りになっちゃうのね。その中に、ちょうど岐阜祭りっていうのがあるんだけど。岐阜祭りっていうのは、伊奈波神社は岐阜のいわゆる守り神様みたいなことで、みんなが正月になったら初詣に行こうとか、いう神社のその祭りが昔はあったのね、古くは。その頃はやはり、ここだと曳山が、大きな高山のような山がちゃんと出るんだよ。全部提灯つけて。みこしも本みこしが出るし、つくりみこしじゃなくてね、昔からのちゃんと漆の塗った、きちんとした立派なみこしがみんな。提灯つけた曳山が、全部伊奈波神社へ集まって、4月の第一土曜日の夜ね。そして今では結構なかなかにぎやかな祭りになって、それも復活させて…。そういうときは賑やかだけどね、普通のときはもう何にもない。

 伊奈波界隈が出来たそもそもはね、ちょうど日本の経済がよかって、高層マンションが、こちらへどんどん。普通の店がなくなって住宅地になったもんで、知らないうちにそういうとこを集めれば、そこそこの広さの土地ができるわけだ。高層マンションが建ち始めたのね。僕らはそれに反対ではないの。みんながそれでいいと言うのならいいんだけども、それはいやだよ、と言うのであれば、まちづくり協定みたいものを作って、みんなでルールを作ってどういう街がいいかということを決めていきましょうということをやってる会なのね。ある程度ね誤解されてるとこもあるの。まちづくりっていうとすぐに古いものを残してどうのこうのっていう、高いものには反対してっていうことを言われるけれど、それも今住んでる人たちが、合意の下にできればいいんだけども、勝手にどんどんやっていくやつだけはノーにしようやということでね。けどもね、なかなかそこらへんの意思表示っていうのはしないんよ。住んどる人は。関心がないというか。だから今度も、アンケートなんかをやってもね、80何パーセントは静かに住みたいっていう答えを出すということは、言ってみれば何にもさわらずに静かに暮らせればいいって言うのが、大半の意見かな、みんなね。
そういうとこのまちづくりだからね、ちょっと違うと思うのね。

 ああいう商店街であればさ、はっきりしてるわけでしょ。お金儲けをするためにみんなでにぎやかな町にしましょうということだけど、それが完全な目的ではないわけね。お金はあったほうがいいに決まってるけども、それが第一番ではないわけだから。住宅地のまちづくりだから。ある意味難しいこともあるし、みんながわーっと立ち上げたときのような熱を長く、僕らももう12年目に入るんかな。持続していくというのはね、なかなか難しいかもわかんないけども。立ち上げたときよりも、僕らでももう10年は年とっとるわけだし、確実に。じゃあ次の人達が我々のようなことを、やろうや。ということで始めたかというと、まあやっぱそうではないし、我々もそう積極的にね、そういう人たちを育てようとしたこともないし、今の話、だからただ、我々のまちづくり会は、まちづくり憲章っていうの作って、それが一番の成果かな。今のとこいうのはね。