Top > 「川原町」探訪 - 街おこし取組み 
 
 平成16年に、この伝統的な町並みを残していくための「川原町まちづくり協定」が策定されました。これは住民のみなさんによって作られたものであり、この協定によって、建物の高さや様式が統一されました。また、これにより電柱を地中に埋めたりする「無電線化」なども行われ、より景観を守り、さらに“自分達が住みやすい”という街づくりの具体的な形を作り出しました。
       
 元々、川原町は川港だったこともあり、紙問屋や木材問屋などが立ち並んでいました。やがて川湊としての機能を失い、物品が運び込まれることがなくなってからは、人が住まず、倉庫として使われることが多くなりました。しかし、現在は、町家を有効利用し、景観に調和した趣のある飲食店や和雑貨屋などが進出し、鵜飼観覧の観光客を中心に人気の観光スポットとなりました。
       
 古い町並みの情緒を出すため、約40世帯の軒下に昔ながらの丸い門灯が灯され、夜道を柔らかく温かい光が照らしてくれています。また、丸型ポストや提灯など、昔ながらの雰囲気を感じられるものが所々に設置されています。他にも祝日には国旗、お正月には手作りの門松を飾ったりもしているそうです。
       
 「古いものは古いまま」や、「不便なものは現代的なものに」という、一方通行なやり方でなく、「古いものと新しいものの共生を考える」という街づくりのスタイルが、この街の魅力をうまく残し、結果として町に人を集めることの要因となっています。 しかし、川原町はそういった理想だけでなく、まちづくり協定をはじめとする、具体的な実現のための取り組みを、住民の方々自らが行っています。そのような住民の方々の、街への愛があるからこそ、街づくりが成功し、街おこしへと繋がっていったのだと思いました。