Top > 「街おこしについて」探訪 - 失敗事例紹介 
 
 「国際まんが博」とは、13億円もの税金を投入し、街を栄えさせようと今年の8月から3ヶ月開催された漫画のイベントですが、思うように人が集まりませんでした。また、その事実を隠ぺいしようと、来場者の水増し発表をするなど、誠実さに欠ける対応をいくつもしてしまいました。企業が力をいれているだけで市民は放置された状態となり、開催される意図がつかめないイベントとなってしまいました。
       
 ある街では、ブリの養殖産地で全国トップということで、積極的に養殖ブリのブランド化に取り組んでいました。しかし、製品差別化戦略は独りよがりの域を超えることができなかったため、消費地では評価されませんでした。そのため全く効果をだすことができませんでした。
       
 地方のお店だけで販売されている「イタリアン」という料理で何度か街おこしに挑戦しました。しかし県内には浸透したものの、県外では受け入れられずほとんどのものが1年ほどで撤退していきました。「イタリアン」とは、喫茶店のオーナーが考案したといわれている、従来の焼きそばにミートソースをかけたという至ってシンプルな料理でした。
       
 地域のブランド魚を食材とした新作料理を観光客向けに新しく開発しました。しかし、この新作料理の調理方法が難しく、さらにレシピの定義も不明瞭であったことから、地元住民の家庭で調理されることはなく、ほとんど定着しませんでした。また、観光客にも新作料理として人気がでることもなく、街おこしはうまくいきませんでした。

       
 地域のブランド牛肉を利用したご当地メニューを作り店で提供しました。しかし一部の高級店では上質な肉を使い、高めの価格で提供されたため、他の大衆店で提供される料理との味や価格の差がでてしまいました。そのため、観光客が行く店によってご当地メニューの評価がかわってしまい、思ったとおりに街おこしができませんでした。
       
 街おこしが成功する地域と失敗する地域では、取り組み方に大きな違いがあると思いました。地域での協力が足りなかったり、利益だけを重視してしまったりという事例がいくつか見られました。このことから、街おこしをするには地域での協力がとても大切なのだと感じました。成功事例でも地域の協力がされていない地域はなく、取組みの内容だけでなく、一番は協力することなのかなと思いました。